のどかに見えるし実際にのどかなのだけれど、そんなニシオギののどかさを脅かす問題はいくつもあります。それでニシオギDRUNKerシンブンをはじめたわけですが。
第一回で紹介したこちら。「善福寺川上流調節地」「外環道」と「補助132号線拡幅」というニシオギに迫るが善福寺川沿いにつぎつぎ現れます。
今回は、補助132号線の話。上記の紙版のは2023年4月のver.で、ちょっと古いのですが。
「補助132号線」などという名前?がつけられていたことなど、まったく知りませんでしたが、駅前から南北に伸びるバス通りで、北銀座通りから新進会商店会と呼ばれています。
「戦後復興都市計画」の1947年(位置は少し違って東寄り)に道路計画がつくられ(位置はもう少し東寄り)、1966年に都市計画変更によってこの道が拡幅される計画に。幅11mを16m(南口は20m)にする、と、いってもすでに家や店が立ち並んでいます。拡幅分の5mだけは鉄骨造禁止などのセットバック規制がかけられただけで、そのまま何十年と塩漬けになっていました。
ところが2016年の東京都の「優先整備路線」に入ると、途端に杉並区(田中前区長)がノリ気になり、2020年には青梅街道側(北半分)の1期工区を事業認可しました。
いろいろ変な話で、渋滞解消といっても「この道混んでるの見たことない」と誰もが言うし、せいぜい駅前でバスが右折に手間取っているとしてもそれなら駅側を整備すればいいのに、北側を拡げると車の流入が起きるのではないか?だいたい当初は3つに工区を分けていたのに突然2期に分割される、など、地域は振り回されています。
事業認可されると用地取得がはじまります。
ニシオギの街はあちこちが変わってきています。
2024.5.29の撮影です。青梅街道のところから写真でレポートしていきます。
初の宿泊施設「ベスピハウス」が西荻窪にオープン | Shokusan Group Holdings
なんとホテルができました。少し遅れていて、6月オープンらしいです。
女子大通り交差点。拡幅は写真右側(西側)。人気のカフェがひっかります。空はまだ広い。
「補償金狙い」と言われていた「謎の紫ビル」は事業認可されたとたんに解体し、売り抜け。さっそく歩道も広がり、4軒つながりのテラスハウスができました。3軒は入居済み。店舗部分には青梅街道を渡ったところにあるクリーニング店が移転してくるようです。
関根橋のところ。こういうのが悲しいですね。道路事業が街の魅力を損なうことは明らかです。
ちょっと入ったところに一軒家フレンチができました。こういうふつうの民家、住宅街のお店はニシオギらしい。
新進会はプラタナス並木ですが、そのほかにもあちこちに「勝手花壇」があります。ところによってはかなり豪華。
この区画だけは東側が拡幅計画で、5月31日にニッポンレンタカーは閉店します。
立ち退きエリアのはずですが、新しくテナントに入ったお店もあります。元々多かったのですが、カフェがどんどん増えています。閉まっているのは定休日だからで、定休日も複数曜日であったりするのがニシオギ的。二枚目の店の看板が消えているのは、前にあったピザ屋のものです。
ここも早々に立ち退いたところで、5mのセットバックしてそこに5F建てのマンションができました。なんとエレベーターがなく「投資物件」ではないかと言われています。ちゃんと人が住むものを作らないと、「にぎわい」にはなりません。
ここまでが1期工区区間(駅側から北向きで撮影)。
駅側はまだ事業認可されていませんが
駅前交番のとなりのてんやと関東バス窓口がなくなりました。バス会社は今、どんどん窓口などを縮小しているので、その流れかもしれません。
「住民参加」「対話で進めるまちづくり」を掲げる杉並区・岸本区政は2024.6.2にこのような「デザイン会議・はじまりの会」を開きます。
しかし岸本区長になっても計画は一向に停まることも変更されることもなく、22年に同様の趣旨でおこなわれた「さとことブレスト」に筆者も参加しましたが、そこでほとんどの参加者が「132号線は拡幅しないでもいい」「代わりにこうすればいい」「用地取得した土地はこう使えばどうか」と話し合ったのですが、それが反映されないままに翌年のシンポジウムで「新たなまちづくり」のデザイン会議が発表されました。しかもそれは西荻窪、高円寺(補助221号線)でそれぞれに行うはずが、南阿佐ケ谷・成田東(補助133号線、未認可)を交えての3地区合同となりました。そして正確には担当部署は「沿道」デザインとなっており、拡幅(成田東は新設)ありきでの「新しい街」を想定していることは明らかです。いったい何の「はじまり」なのか。
すでに当事者を中心とした区民からは批判も続出しており、荒れること必至。
続報を予定。