2024年7月29日、石神井公園南口再開発事業認可差止め訴訟の判決言い渡しが、東京地裁103法廷で行われました。抽選となったので、整理券を持って並んだのですが、98席よりはちょっと少なかったようで、抽選取りやめ、全員に傍聴券が配られました。
NHKのテレビカメラが入っていて、最初に3分だったか、撮影のためじっとしていてくださいと言われた。それじゃ静止画と変わらなくない?
そして判決そのものも3分もかからず(文末に判決文コピー全文掲載)。
「事業に違法性があるとは認められず、地区内の原告の訴えを却下、地区外を棄却」!!
判決不当!
なんかあ然としてしまったのですが、その後、近隣の会場での報告会、さらに8月5日に(問題の)石神井庁舎で行われた報告会にお邪魔して、詳しく解説を聞いたら、想像以上に凄まじい、再開発フリーハンド!みたいな判決でした。
判決当日は「控訴するかはこれから」と、むしろ消極的なムードでしたが(住民側は疲弊するので当たり前)、8月5日の報告会では控訴します!と。
原告の方からは
「3月の仮処分は期待を持たせる内容だったのに、同じ裁判長が地元の意向はほとんど無視していいという趣旨の判決を出した。まちづくりとか地元の住民の声はどうなるのか。このまま判決を受け入れ、黙ってもいられない。控訴という道を決めました!厳しくてもやりたいというのが我々の方針」
「驚愕の理不尽な判決。35mの地区計画を勝手に変えた、景観計画をスルーして、まったく論点が変えられた。
こんな理不尽な判決をこのままにして、黒い疑惑を心に残して生きていくことはできない。何もしないで受忍することはできない。長い間、石神井の街を心配して、巨大な再開発事業に声を上げてくださった皆様方に感謝します」
と、怒りをこめた強い決意が語られました。
まず、原告でもあり、司会を務めておられたSさんの、今までに至る経緯のお話(8月5日)。
「石神井に超高層ビルができた、今後この石神井をどうしようか、と10年をかけて住民と行政が話し合い、2012年に地区計画、景観計画が設けられた。駅ビルEmioの高さ(地区計画35mの例外規定で50m)が基準、公園からのスカイラインを整える内容である。
それを練馬区がわずか数年後に新しい計画を持ち出した。住民は行政と話し合い、意見書を出し、公聴会で意見を述べた。これじゃあ仕方ない、司法に訴えようとなり、2020年都市計画決定段階で第1次訴訟。裁判長が替わり、内容的な審議されないで終わった。
そこで再開発組合ができた2022年に組合認可取り消しを求めて第2次裁判。認可は東京都なので東京都が被告。練馬区、再開発組合(後から)が参加人。
この裁判は現在の地区計画の違法性を問うもの。とりわけ以下の2点。高さ制限を撤廃した根拠は?景観計画に抵触している。
裁判は述べ11回、5,6回目は一時間に渡る答弁だった。今年3月には執行停止が出て、期待したのだが…」
弁護士さんの解説、質疑応答はこちら。
5月の裁判傍聴ほか、石神井公園についてはこちら。
報告会会場の石神井庁舎。5階に区民会議室がある。