ニシオギDRUNKerシンブン

再開発に反対するニシオギDRUNKerです。各地レポも。

善福寺川上流調節池の現在2025.11月 : 資料編

 

zenpukujigawa.com

 

 

善福寺川上流調節池の問題で活動しておられる「善福寺川流域の自然と暮らしを守る会」が、ニュースレターの制作を開始されました。

 

レター下半分の「都庁ヒアリング」で議題となった事項について、開示請求で得られたデータに基づく事前レクの概要は以下。

 

●代表的な水害である2005年9月4日水害のデータと関連資料の問題点の指摘


①都説明会資料水害記録冊子は神田川水系であるのに対し、開示請求資料は東京都全体であり、浸水面積と浸水家屋の数値が大きな値になっている。被害を大きく見せようとしている疑いがある。
②開示された調査委託報告書では時間最大雨量75mm想定の浸水面積226ha・浸水家屋22567棟であるが、説明会資料は2005年水害・時間最大雨量112mmの時の浸水面積124.49ha・浸水家屋3392棟となっている。調査の想定である75mm(2005年水害の実際の雨量112mmの67%)で、浸水面積と浸水家屋数が大きくなっており、明らかにおかしい。
③環七地下調節池が現在54万㎥+工事中68万㎥(現在稼働しているのが善福寺川神田川、工事中のものが妙正寺川取水)、白子川地下調節池21万m3を合わせて合計143万㎥。これら神田川流域の貯留量の相互融通により、時間あたり100mmの集中豪雨にも効果発揮と都は言う。このことから、環七下流神田川善福寺川の合流地点から下流の被害は少なくなるので、善福寺川の便益は減少する。
④水害記録冊子の水害被害額は数百億円の開示資料より少なく、便益はさらに少なくなる。

 

説明会資料はこちら。

https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kensetsu/r702setsumeikai01


●2017〜2025の委託報告書における費用便益(B/C)分析の問題点


A 2017年3月 善福寺川上流部治水対策委託報告書
B 2018年3月 委託報告書(善福寺川単独B/C2.05)
C 2019年2月 善福寺川基本検討委託報告書
D 2021年3月 善福寺川基本検討委託その2
 神田川流域河川整備計画全体B/C3.37
E 2025年2月 善福寺川説明会神田川全体B/C1.41

①Bの善福寺川調節池建設費590億円、E時点では1557億円で、2018年から7年で2.6倍になった。
神田川全体でのDとEを比較すると、D2021年の便益9863億円・費用2927億円、E 2025年便益6814億円・費用4844億。便益は減少し、費用は大幅に増加している。2021年段階で事業正当化のため過大な便益算定を窺わせる。
③Eでは、神田川流域河川整備計画の事業毎の事業費が示されているが、善福寺川調節池は容量1000㎥あたり468.7百万円(江古田川193㎥、妙正寺川195㎥)と、他の事業費と比べ突出している。このことから、善福寺川のB/Cは1を下回る可能性が高い。

 

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善福寺川上流調節池のチラシを作りました。

 

 

善福寺川上流調節池について、東京都がオープンハウスを開催します(本記事の一番下に東京都からの案内チラシ掲載)。

2025年11月20日(木) 17:00-20:00西田小学校

   11月21日(金) 17:00-20:00桃井第三小学校

   11月22日(土) 15:00-18:00杉並第二小学校

オープンハウス形式の説明会はほんとにダメで、いきなり大量のパネルが並んでいるところに行って、マンツーマンで(部署も肩書も名乗らない)職員と話さねばならず、そこで適当な答えをされても誰にも共有できないわけです。それにどうしても最初から見ていくと、いろいろ引っかかってしまう。とても3時間で読める代物ではないのに。資料だって「全会期が終了してからHPにアップします」といって、こちらに事前に予習していく余裕を与えない。

これは外環道のオープンハウスの一角だけれど、こんなパネルが何十枚とあって、その場で読めますか?

 

 

そして、前回は資料の最初にあった(豪雨対策の根拠となる)「年間の降雨量」のグラフが、「全国」のもので、しかもそのことが明記されておらず「どこのですか?」と聞いて初めてわかり、そんなのを載せるのはおかしいのではないか、杉並区の降雨量がわからないはずはないだろう、いやいやこれはあくまでも参考ですから、みたいなことを延々やっていて、肝腎のシールド工法の話までたどりつかなかったのです。でも、その場にいなかった他の人には「これが全国のグラフだ」ということも結局知られないし、建設局がそうしたずさんな資料を並べていることも伝わらないわけです。

 

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だから、同じ不誠実な答えをされるにしても、せめて外環道のときみたいな「全体説明会」が必要。不誠実な答えをしたら「おかしい」と言う人がいて、それが全員に共有できるだけでも。

 

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それなのに建設局は「オープンハウスがよいという声があるので」と説明会を拒否。両方やればいいじゃないですか。だいたいオープンハウスなんていつもガラガラで、説明会をやると満席。それも怒り心頭な住民で。そこでウソをつくとどんどんバレて、さらに怒りに火がついて…って、だから説明会やらないんですけどね。

 

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それでもとりあえずオープンハウスであっても行って(複数人で行くこと推奨。上記リンクのニュースレターにて呼びかけ)、疑問点を挙げていくしかないのだけれど…

と、ここで情報のリンクを貼ろうとしたんだけれど…

善福寺川上流地下調節池に関する説明について|審議会・各種会議の情報|東京都建設局

2025.11.11.23:23スクリーンショット

 

えええっ!!!

「最新の説明会はこちら」をクリックしたのに、今年の2月のまでしか載ってないんですけど!!!!

だいたいポスティングだって10月下旬くらいに来たぞ。そんな早く入れたらふつう捨てるでしょ。

仕方ないので、スキャンしてこちらに掲載します。



よく読むと、これもいろいろおかしなことが書いてありますが…文章も下手。

始まる前からひどい対応だらけの善福寺川上流調節池。これでは当日の「説明」も思いやられますが…まぁ、とりあえず行ってみてください。

 

追記 : 11月19日0:00に再度建設局のHPを見たところ、11月のオープンハウスが掲載されていました。しかし「11月7日更新」となっています。

上記スクショ、2月のまでしか載っていなかったのは11月11日なのですが、おかしいですね。

善福寺川上流地下調節池事業の整備について|中小河川の整備|東京都建設局

 

 

 

『大菩薩峠』を生んだ羽村の街と、中里介山展

 

 

 

11月3日から善福寺公園では[トロールの森2025]が始まっています。

そこで私は大長編小説(文庫で20巻)大菩薩峠をひたすら読み続ける、という

「DBT in the Forest」というパフォーマンスを行っています。

 

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それに先駆けて10月某日、作者中里介山(1885-1944)の居宅跡、菩提寺、お墓のある羽村に行ってきました。

中里介山は一時は社会主義に傾倒、小説家として人気を博したのちも、社会改良と教育への希望を持ち続け、高尾山に私塾を開きました。しかし、高尾山ケーブルカー(1927/昭和2年開業)の工事のために立ち退き。そこで青梅に新たな地を求め、隣人道場を開きます。ところがここもまた青梅電気鉄道(1929/昭和4年延伸)のため立ち退き。あまりのことに空に向けてピストルを撃つ、という抗議を行いました。

そして現在。

羽村駅西口では多摩川玉川上水によって形作られ、鎌倉街道を基盤とした伝統的な街並みを、丸ごと幅広い道路で碁盤目に区切るという世にも乱暴な道路計画のための土地区画整理事業吹き荒れています。

hamura.jimdofree.com

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そして、なんということでしょう。現在公園として石碑が建っている中里介山旧宅も、その区画整理に引っかかるのです。死してなお立ち退き !

多摩川対岸の羽村神社から見た街並みです。上半分が東口の碁盤目の新市街、下は川に向かってくだっていく河岸段丘に、建物が同じ向きではなく建っているのがわかると思います。

 

新奥多摩街道沿いにある聖徳神社です。上り、下り、上り、の三つの坂が合流していて、複雑な地形です。この旧市街地はこうした独特の地形が楽しい街並みです。

 

介山の菩提寺禅林寺裏手の林です。崖の下に家々が建っています。緑も深く、湧水があるため井戸も多い。水がきれいなので、酒屋さんがたくさんあります。

 

鎌倉街道であることを市もアピールしているのに、それを潰す道路計画。奥の道路の向こうは用地取得されて封鎖されています。

 

用地取得された土地ですが、その向こうには新築の家(マンション?)を建築中です。立ち退きが決まっているところでも、新築をして販売することがあちこちで当たり前のように行われているのは、どういうことでしょう。

 

反対派住民は「手書き看板作戦」を継続中です。「故郷も区画整理でよその街」という川柳がみごとですね。

 

玉川上水の分水口です。ここから杉並区に水が送られてきます。

 

多摩川を渡ると、山の際に羽村市郷土博物館があります。とても立派で、大型の展示も多くて楽しめる博物館です。しかも無料。

現在、12月7日まで「生誕140年・中里介山展」開催中です(常設でも介山コーナーがあり、そこで見られる介山の生涯解説ビデオがおもしろいです)。

 

大菩薩峠』新聞連載の第一回。

 

介山の書画、主人公の机龍之助。昔の文人は書画のたしなみもある人が多いですが、絵がうまいですね。

くだんの立ち退き2連発からの発砲事件のパネルと、立ち退きになった道場。

 

大菩薩峠』にはムクという最強の犬が出てきます。介山も犬を飼っていたのですね。こいつも強そう。ムクはかわいいのですが、なぜか龍之助のこと好きみたいなんだよなぁ。ムクちゃん、そいつは悪い人なんだよ。

ほら。

 

話の発端。大菩薩峠で巡礼の老人を斬り殺す龍之助。

この絵巻はすごい ! ほしい !

私も「ストーリーボード」を作っているのですが、これは日本の絵巻的に、空間を歪め、異なる時間を並べるという超絶技巧。例えばこの大菩薩峠発端(1巻)の隣に、恵林寺慢心和尚(4巻)。

 

 

この日は朗読の体力をつける「修行」のため歩くのが目的でしたので、そこからどんどん西へ向かい、あきる野市へ。この公立阿岐留医療センターは介山が亡くなった「阿岐留病院」です。

 

この羽村「修行」で体力・知力を増強させて、初見で4時間ぶっ通しのエクストリームな朗読に挑んでいます。

「DBT in the Forest 中里介山大菩薩峠』を読む」in トロールの森2025

11月23日まで!!

 


 

トロールの森2025に参加します

朗読の告知です。

今回は、ニシオギ周辺。

善福寺公園などで行われる秋のアートイベント[トロールの森]に参加します。

 

 

 

trollsinthepark.com

 

 

[朗読] イケガミ アツコ

DBT in the Forest

中里 介山『大菩薩峠』を読む

11.3(月・祝)〜11.23(日)

善福寺公園上池 くぬぎ広場

12:00~16:00

※毎日ではありません。

           ・会期中2~3日おき

           ・雨天のぞく

           ・喉の調子がいい日

実施予定は前日夜に Instagram @ikeofthedbtで発表

もしくはお問合せ ikeotdead4g@gmail.comまで

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こんにちは。超音速の朗読家イケガミアツコです。

中里介山大菩薩峠』の朗読をしています。

全20巻の第5巻141ページまで読んできました。

 

今回は善福寺池のほとりの森の中で4時間ひたすら読みます。

まわりに誰もいなくても読んで読んで読み続けます。

大菩薩峠』は長いので、私も読んでいません!

下読みなし、練習なしの、ぶっつけ本番、ぶっ通し。

 

ダークヒーロー 机 龍之助と彼に運命を狂わされた人びとの

波瀾万丈の物語。読んでる私もこの先どこに行くのか知らない

ジェットコースターin幕末。

 

時代に抗え!!

立石裁判、地裁結審!

2024年に葛飾区役所が立石北口再開発の高層ビルに移転することに対して、区民237人が原告となった住民訴訟、2025年9月19日に地裁判決が出ました。

 

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今回も最大の103法廷がほぼ満席。原告団はバスを仕立てて傍聴に。

しかし、民事の判決は一瞬。

申し立てを却下する。費用は原告が支払う。

これだけで裁判官は退席。

あっけに取られる傍聴者に対して、弁護団議員会館で説明会を開きました。

そこで配られた声明がこちら。

判決には「理由」というのがつくのだが、それは読み上げられなかった。なぜ却下か?再開発組合総会で計画可決したのは2022年12月。住民監査請求は1年以内に行うべきだが、していなかった、ということが原告の手続き不備とされた、ということ。

 

これに対して、加藤芳文弁護士から総論。

「民事は結論だけで、後は判決読めというのが結審。これは傍聴がこんなに大勢来ないことを前提としている。
駅前の再開発は自治体とゼネコンが結託して高層ビルを建て、儲けさせる。それだけじゃないぞ、と。地上げが流行ってきてる、私のとこ(事務所に相談が)2件来てる。押上2丁目で、家に上がりこんで6時間帰らない。もう一つは月島、20-30世帯を安く買って追い出す、というもの。地上げはバブルの頃よくあったが、また始まっている。
街壊し、駅前再開発だけじゃない。要りもしない何十年も前の道路計画を通す。
葛飾区民なら葛飾区政を監視しとかないと何やるかわからない。恐ろしい時代になってきた。
ほんとうのまちづくり、必要なものは、緑豊かなまちづくり、それだけをやるべき。そこではみなさんが主人公だ」

再開発全般に視野を広げる加藤弁護士は、相変わらずかっこいいですね。

 

そして熱血の舩尾遼弁護士が全体の詳細説明。

「結論から言うと却下、敗訴判決である。何点か見るべきところがある、中身について不当なところ。

ポイントは二つ。

・訴訟自体が適法か:権利変換が財務会計行為の訴訟にあたるかどうか。
・床の価格が高すぎるという原告の主張。
今回、床の取得を財務会計行為として一部肯定、これは今までなかった、画期的判決
私たちは再開発法が不当と訴えてきた。組合を作ってその中で再開発、黒字にするためにビルの床を売る。私たちの街なのに区民が口を出せない。ふつうなら都市計画決定して都市計画審議会が決める。再開発になってしまうと、一部の地主さんが決める。そこに区が入って、みなさんの財産なのになんだか知らないうちに決まっている。オリンピック村(晴海フラッグ)も東京都がデベロッパーに1坪1000万円を80万円でなげ売りした。
今回、再開発組合で(区が)議決権を行使することは財務会計行為だと肯定した。議決権があった、区がこんなことをしたとわかった時点で監査請求できる。これからの市民運動を前進させる。
しかし非常に不十分。地区計画は、区民に計画縦覧期間があり、意見募集し、その後に都に認可申請を出す。組合の総会の時点が財務会計行為となるが、区民がその議決を知るまで時間かかる。そこ(組合総会)から住民監査まで1年過ぎてるから却下しますと言ってる。法律(地方自治法)の立て付けを検討してない。
実際まだ決まってもないことに監査請求しても、できない。地方自治法142条2項の「正当な理由」にあたる。
裁判所は時間過ぎてるから内容は判断しない、とだけで、葛飾区の行いが不当かどうかは言わない。政治に立ち入らない
これではおかしいとは思っても、いつまで経っても争うことができず、その間に区民財産がどんどん流出してしまう。
今回岩見良太郎教授の意見書が採用されたのは大きい。ここでは床価格が数字をいじって取得された(区が損する)ことが指摘されている。計画が進むように他の地権者に配慮し、事業を赤字にさせないために区の財産で援助した。

これから(2025年11月)区議選と区長選がある。駅前再開発でどんどんお金かかるが、どうせ税金で出すからいいよ、とみていることが明らかに。
控訴するにあたって、原告団としての委任状をいただくが、237名全員は大変。法廷には来ていただかないと困るが、法訴的には誰か一人いればできる。

岩本拓也弁護士からは

「画期的な部分もあるが、やはり判決にはおかしいところがある。権利変換を認め、二倍も(の価格で床を買って)区の財産を流出させた。

しかし、(葛飾区が)組合の中で議決を行使することは財務会計行為の対象、というのは、一部とはいえ画期的」

ほか、柏木優孝弁護士、今嶌千晶弁護士からは、とにかく大勢の住民が傍聴に詰めかけたことが、裁判官にプレッシャーを与えた、という感謝の言葉も述べられました。

 

ここからは質疑。

 

Q:判決聞いただけではわからない。棄却と言われたら「えーっ?!」とか言っていいの?どっかに連れて行かれてしまう(怖)?
A:弁護団からぜひそうしてとは言えないが、言っていただいて構わない。どうせ退廷させられてもそこで終わるので。可視化するために空気を出していただきたい。

 

Q:判決がよく聞き取れなかった。どういう表現で言ったのか。
A:判決には主文と理由がある。理由はなんでその判断に至ったか。今私たちがした説明は理由について。法廷で述べられたのは、「青木(葛飾)区長は(床差額の)損害分を支払え(という提訴)」、に対する棄却だけ。主文しか読まないのは勝訴のときでも同じ。裁判官が力を入れている時は理由を読む。一般的には裁判官はヤジが怖いから、走る(ようにして帰る)。

 

Q:弁護団説明会は終わってから説明されるより、次はこうだ、という説明をしてくれれば、反応できる(みんなヤジりたいらしい「判決不当!」)。
A:事前説明会は何度かして、こういう書面を出した、と話していた。今回は判決なので、事前に話せることがなかった。

再開発事業にはふつうの区民は入りこめない。施行するのはこれまでは民間企業がほとんどだった。最近、自治体が入る傾向があるが、これだけ大きいのは葛飾が一番。

 

Q:判決が出るまで裁判官の中でどんな論議があったか、経過報告はないのか。
A:あったらいいですけど…。

しかし、一部分も認めないで逃げるだろうと思っていたが、最後に私たち出した書面で、「こんなおかしなことが起きているのは、地方自治法の趣旨が骨抜きになる」と追及しておいた、それで一部でも認めたのではないか。
3人の判事のうち誰がどう判断したのかは秘密で、2:1か3:0かも発表されない。最高裁は別で、よく報道に判事の意見も載っている。

 

ちょっとわからないところがあったので、私も質問させてもらいました。

Q:組合での議決が財務会計行為で、住民監査の対象になる、ということだが、それから1年以内に請求しなかったから無効であると判断されてしまった。高裁でも無効と言われるのか?この画期的判断をこれからどう活かしていくのか?
A:控訴審では議決権行使の時だ、と言われても、それは法律の仕組みと合ってない。議決の後に縦覧、意見、場合によっては修正、認可申請を都に出す、ここまで内容は確定してないものだ。確定して初めて議決権と私たちは思う。

意見によって修正されれば文句ない内容になるかもしれない。だからそこの時点で監査請求しても仕方ない、というのが疑問。法律の仕組み上、東京都に申請を出した日(に内容が確定)というのが正しい。そこはおかしいと言える。

地方自治法は「正当な理由がある(天災とか)ときは」とあるが、今の法律の立て付けの不備が理由になるのでは。事業計画が確定してないんだから。

そもそも申請をいつ出すのかは、組合の事情で半年前に出すかもしれない(監査請求をさせないタイミングにできる)。一審では否定されたが、この論点は争いにできる。同時に中身も突き詰めていく。
この判決理由を見たら、葛飾区はヤバいと思うだろう。葛飾区は監査請求を却下したが、判断せざるを得ない。この判決なら早い段階で行政に公式に文句を言える。使い勝手のいい判決が出た。
A:晴海フラッグの判決も都知事が権利変換同意したタイミングでも却下され、「財務会計行為に当たらない、同意から期間が経過している」という判決が出た。しかし同意とか議決権行使で決まるわけでなく、権利変換処分がされて結論が出る。そこから争いにできるはず。今後もそこを主張していく。

 

敗訴が予想されていたとはいえ、力強い即!控訴!そして「画期的判断」を今後の裁判に、そして他の地域での再開発との闘いにも活かしていこう、というパワフルな弁護団、そして原告団

今後とも希望を持って注目していきたい裁判です。しかし、ごちゃごちゃしてる間に工費高騰で頓挫しないかなぁ。

 

https://www.tobu-law.com/bengosi/1322/

田中前区長の怪文書がきた。

来年は杉並区長選挙。田中良前区長(以下、本文に準じて「田中さん」)が返り咲きを狙っているのはあきらかで、このあいだも街宣をしていたし、こんな「通信」が新聞に折り込まれていました。

 

 

なんか、いろいろひどかったので添削してみました。

周りの人からは「字が小さいからどうせ読まれない」とも言われていたけれど、それは私も耳が痛い。痛いけれどまったく反省はしておらず、長文を書くのも読むのも大好きなので、こんなダメチラシでも、私は全部読んでしまう。「どうせ読まない」ような人は河北の新病院の写真だけ見て「立派なのができてよかったね」と思うのでは? たぶんそれで田中さんの目的は達成。近所の人たちからは「こんなデカいとは」と嫌がられているらしいですが。

で、全部読むんだけど、さっそく「こういうのがイヤだ ! 」にひっかかる。それは写真のとこのリードで、たとえば「昨今、老朽化した病院~ニュースがあ(改行)る中、」。こういうのほんとキモチワルイ。本文ならともかく、リードで行の長さが写真に合わせてずらしてあるのだから、いくらでも改行位置は調整できるだろうに。「阿佐ケ(改行)谷」なんか最悪。

 

さっそく挫折しそうになりましたが、もっとキモチワルイのが、これ。

「自分の会社の社長について『ただいま社長は外出していらっしゃいます』と言ってはいけない」と、新入社員に言うようなことを、政治家のチラシに言わなくてはいけない。「サポーター」はあくまで善意の第三者・ファン、だという建付けなのだろうが、そんなのは通信を作るための単なるスタイルであって、選挙事務所が出しているのは当たり前のことなのだから、「さん」はやめてほしい。石原のぶてるや小宮あんりのチラシがいつもこれ。自民党は「総理がおっしゃっている」だからなぁ。

「阿佐ケ谷"駅"北東」は単なる脱字だけど、肝腎な計画名で脱字は痛い。ちなみに「阿佐ヶ谷姉妹」だが、「阿佐ヶ谷」は地域の名前で、駅名は「阿佐ケ谷(駅名のケは大文字)」、町名は「阿佐谷(北・南)」。しかしatok変換とかで出るのは「阿佐ヶ谷」だけなので、毎回「ケ」に打ち換えていてたいへんめんどくさい。たぶんその過程で「駅」を落としてしまったのではないかな。

 

と、一枚目は一般論ですが、2ページ目からは阿佐ヶ谷問題。

詳しくはこちら。

杉一小移転問題のまとめ - 阿佐ヶ谷駅北口・杉一小改築問題情報

河北病院の最新状況はこちら。

どうなる?どうする? 河北病院跡地の大問題 !! - 阿佐ヶ谷駅北口・杉一小改築問題情報

 

 

病院と学校の両方に改築の必要性がある。←わかる。

両方の代替地が必要。←わかる。

しかし。

病院改築(民間)と学校改築(公共)は、たまたま近所で同時期であるだけで、まったく関係ない別の事業。それを一緒にするアクロバットをやってのけたオレスゴイ、なのだけれど、そのアクロバット、必要 ?

けやき屋敷(民間)にどちらかの施設を移転する「必要」というのは、後付けで、今この計画をやってるから出てくる話。

しかももともと河北はAさん(けやき屋敷)からの借地であることに言及なし。それが入ると、ぜんぜん印象変わってきませんか ? 同じ人(Aさん)の土地の中で、自宅の場所に病院を建て替えする。すっきりしてますよね。

同時期なら工事車両や騒音がいっぺんに二倍。しかし順番にやっていたら工事車両や騒音の期間は二倍以上続く。トータル変わらないし、車両通行については長い方がイヤだろう。

なお、河北にいろいろあって工事は遅延しまくり。小学校の建て替えを「先行」は、当初計画で現地建て替えなら、もう新校舎ができている。遅延がなくても河北の解体を待って建て替えているので、ぜんぜん小学校は「先行」していない。

あと、切り取りするの忘れちゃったから拡大して掲載してないけど「当時の職員ほとんど、2人以外が反対したがオレが決めた」については、その2人って最近河北病院に天下りした吉田副区長じゃね? というのが当然わいてくる疑問。

それと「岸本区長も計画の優位性を認めた」は、私は区長は「6年前なら(移転計画は)止められていた(が、もう遅いからやるしかない)」と言ってると思っていたのだが、なんか他にも「優位性が認められずうんぬん」言っているらしい。そもそも「岸本区長の判断はおかしい」とつねに言っているくせに、ここだけ「岸本区長が言ってるんだから正しい」は矛盾です。

 

「病院への利益誘導」についてはこのあと反論。

しかし土壌汚染、水害リスク、樹木伐採についてはいっさい説明なし。田中区長時代の公聴会などで住民が懸念を示していたのは、むしろ後者。前者を言っていたのは「特定勢力(このあと出てくるのだけど、そこで意味しているのとは別の勢力)だったなぁ。

土壌汚染、水害リスクについて説明しだしたのは岸本区長になって「振り返る会」でやっているけれど、それも満足のいくような回答ではなく、その歪みが最近ますます露呈している始末。

樹木伐採については「もう済んだこと」「ちょこっと残したからいいでしょ」みたいに扱われているし。公聴会で私が質問したら樹木伐採の埋め合わせには「屋上緑化や壁面緑化も含む」と言われた衝撃は忘れてないよ。

 

パーティの発起人じゃなくて、後援会でゴルフ仲間だよね、そうとう仲良しだよね、ということが抜けている。別にいいじゃん「私の人脈でなしとげました」と堂々と言えば。

 

「田中さん」につながることだが、これだけ長いインタビューをしているのだから、たとえば「地元商店会のひと」とかインタビュアーの素性(匿名にしても)を書くべき。それがないからゴーストライター感が。もし秘書とかだったら、「社長はいらっしゃいません」になっちゃうでしょ。なんなら自分ひとりでインタビュー形式で書いている可能性もあり。まぁ、そう疑われないように、ちゃんと誰がいつどこで誰にインタビューしました、というのをはっきりさせるのが、ちゃんとした文章ではないですかね。素人のブログじゃないんだから(と、防衛線)。

タワマンについては、いきなりタワマンが出てきたわけでなく、三者協定の地区計画によってそれぞれの「跡地」の高さ制限を変えたので、「小学校跡地」は45m、公開空地をもうけるとボーナスで60mになることになっている。60mといったらタワマンだろ、と。オフィスやホテルという実現性は少ないし、違う用途でも高層ビルはイヤだ、というのが住民の声だった。

なお「タワマン」の定義はないらしくて、だいたい60mらしいのだが、「59mだから」とかいう言い訳も可能。私てきには杉並区では他の建物の高さと比べて、45mならもうタワマン認定していいと思っています。そうしないと石神井公園みたいに「すでにタワマン2棟があるので、100mの再開発ビルも"突出しているとはいえない"」になっちゃうからね。

 

 

 

やれやれやっと最終ページだ。

馬橋通り(神明宮の前)は今、工事車両だけ通れるガードレールでふさいで一方通行なのだけど(その工事期間が延々続く)、こないだ東側がものすごい渋滞していて、なんだろうと思ったら、途中で右折して河北の駐車場に入る車列だった。すべての工事が終了したら両側通行になるらしいけど、それまでずっと続くわけです。

あと、救急車は中杉通りから来て新進会商店街(南側の細い商店街)を通って渋滞するのだけど、東側から入る救急車はこの馬橋通りを通る。病院に入る車の渋滞で救急車が遅れる?

 

オチは「まちづくりはみちづくり」か。

最近都市計画の勉強を始めたのだけど、1970年代のアメリカという事情(モータリゼーションへの危機感)はありながら、クリストファー・アレキザンダー『パタンランゲージ』やジェイン・ジェイコブズなどの有名どころは「道路は住宅地に入れるな」「住宅地の道は短く狭くしとけ」と、車を排除するのがあたりまえ、みたいに言っていますね。

ヨーロッパでは車を街に入れないのが主流になってきてるし。日本は「ウォーカブルなまちづくり」というのが流行りだけど、ほんとの意味でウォーカブルにしてほしいものです(それは岸本区長もやれてない)。

 

最後の最大の添削です。

写真は前のページのものだけど、ここまで語られてきた「阿佐ケ谷駅北東地区」は、杉並第一小学校、けやき屋敷、旧河北病院、新進会商店会であって、ロータリー、西友三菱銀行は入っていないのです。

「向けて」と語っているので、公約的なことかもしれないけれど、ここまでやってきた地区計画はやり直しになります。ここも「まちづくり」して、どこにでもあるような駅前にするのが完成形なのかもしれませんが。

 

参考。田町。どこでもあるやつ。